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SCM440の材料特性や化学成分を教えてください

材料解説 / SCM440

SCM440とは
SCM440は、JIS G 4053(機械構造用合金鋼鋼材)に規定されている合金鋼であり、炭素鋼にクロム(Cr)とモリブデン(Mo)を添加することで、熱処理性と強度特性を飛躍的に高めた材料です。実務において流通する関連規格や化学成分の詳細は以下の通りです。

化学成分

C
炭素
0.38〜0.43%
強度・焼入れ硬度を決める基本元素
Si
ケイ素
0.15〜0.35%
脱酸剤として機能し、フェライト相を固溶強化
Mn
マンガン
0.60〜0.90%
焼入れ性を向上、強度と靭性のバランス確保
P
リン
≤ 0.030%
不純物。結晶粒界に偏析し常温脆性を誘発
S
硫黄
≤ 0.030%
不純物。非金属介在物を形成し延性を阻害
Ni
ニッケル
≤ 0.25%
靭性向上のための副次的元素・制限値
Cr
クロム
0.90〜1.20%
焼入れ性・耐摩耗性・自己耐食性を付与
Mo
モリブデン
0.15〜0.30%
焼入れ性・高温強度を高め、焼戻し脆性を抑制

主要元素の冶金学的効果

強度・硬度を決める元素
炭素(C)・ケイ素(Si)
炭素(C)は強度および焼入れ時の最大到達硬度を決定する基本元素です。ケイ素(Si)は脱酸剤として機能し、フェライト相を固溶強化します。

焼入れ性・耐摩耗性を高める元素
マンガン(Mn)・クロム(Cr)・モリブデン(Mo)
マンガン(Mn)は焼入れ性を向上させ、強度と靭性のバランスを確保します(一部市販材では0.60〜0.85%で制御されることもあります)。クロム(Cr)は焼入れ性を高め、微細炭化物を形成して耐摩耗性と一定の自己耐食性を付与します。モリブデン(Mo)は焼入れ性と高温強度を高め、合金鋼特有の「焼き戻し脆性」を強力に抑制します。

CrとMoの複合添加こそがSCM440(クロムモリブデン鋼)の名称の由来であり、最大の特徴です。焼入れ後も粘り強さを保てるため、ギアやシャフトなど高負荷部品に多用されます。

極力低く制限される元素
リン(P)・硫黄(S)・ニッケル(Ni)
リン(P)は不純物であり、結晶粒界に偏析して常温脆性を引き起こすため極力低く制限されます。硫黄(S)も不純物であり、非金属介在物を形成して靭性や横方向の延性を阻害します。ニッケル(Ni)は靭性を高めるための副次的元素としての制限値として規定されています。

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