VA/VE (加工技術FAQ)
表面処理(めっき、熱処理など)について
異種素材を接合すると腐食すると聞きましたが、どうすれば防げますか?
異なる金属、特にイオン化傾向の大きい金属(=酸化したりサビたりしやすい、卑金属)と イオン化傾向の小さい金属(=反応性が低い、金や白金などの貴金属) との間で発生する腐食を「ガルバニック腐食」といいます。 イオン化傾向の差、つまり電位差が大きい金属同士が接合し さらに腐食環境(導電性のある水や液体に接している環境)が整うと イオン化傾向の大きい金属から小さい金属側へ電子が移動し、腐食が進行します。 例えばステンレス鋼と炭素鋼が接触していると、炭素鋼がどんどん腐食します。 この腐食は、電位差が大きいほど早く進みます。 この現象を意図的に設計して起こしているのが電池です。 腐食防止の基本は「電子を移動させない」ことです。 例えば、イオン化傾向が近い素材を使用して、電位差を小さくすること メッキ処理をして電位差を小さくすること 絶縁体で金属同士を分離することも有効です。 また、犠牲防食として、さらに電位が低い金属をそばに置いておき 接合している金属を腐食から保護するという方法もあります。 これらの対策を講じることで、腐食リスクや腐食スピードを軽減することができます。