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丸物・大物加工 φ1200 / 材料調達〜切削・研削研磨まで一貫加工

VA/VE (加工技術FAQ)

材料選定

代表的なチタン合金のグレードとその用途、機械的性質を教えてください。

主要チタン合金グレードの特性と用途

グレード対応規格主な化学成分タイプ引張強さ (MPa)0.2%耐力 (MPa)伸び (%)主な特徴主な用途
Grade 1JIS Class 1, ASTM Gr.199.5% Ti純チタン270~410  

≧165  

≧27  

良好な成形性、耐食性、溶接性、生体適合性  

化学物質保持器、海洋部品、医療用インプラント  

Grade 2JIS Class 2, ASTM Gr.2純チタン340~510  

≧215  

≧23  

強度・延性・耐食性のバランス  

一般産業、化学プラント、熱交換器  

Grade 5 (64チタン)JIS60種, TAB6400, ASTM B348 Gr56% Al, 4% Vα+β型合金895-896  

827-828  

≧10  

軽量・高強度・靭性の優れた組み合わせ  

航空宇宙 (機体, エンジン), 医療用インプラント, 高性能部品, 軍事用途  

Grade 9ASTM B265, ASTM B3483% Al, 2.5% Vα+β型合金溶接性・強度・耐食性のバランス  

化学プロセス、航空宇宙、スポーツ用品、生体医療機器  

Ti-5Al-5V-5Mo-3Cr5% Al, 5% V, 5% Mo, 3% Crα+β型合金高強度、過酷な環境耐性  

航空宇宙エンジン部品、構造要素、軍事用途、化学プロセス装置、船舶産業  

注: 表中の機械的性質はアニール状態の代表値です。

各グレードの詳細:

  • 純チタン系グレード(Commercially Pure – CP Titanium):
    • Grade 1: 99.5%の最も純度の高いチタンであり、良好な成形性、耐食性、溶接性を持ちます 。化学物質保持器、海洋部品、医療用インプラントなどに使用されます 。  
    • Grade 2: 一般的な工業用純チタンで、強度、延性、耐食性のバランスに優れています。
    • Grade 3: 98%のチタンを含み、Grade 1およびGrade 2と比較して優れた耐食性を持ち、航空宇宙や海洋用途にも使用されます 。  
    • Grade 4: CPグレードの中で最も強度が高いですが、延性は低くなります。
  • チタン合金系グレード: アルミニウム、バナジウム、スズ、モリブデン、クロム、ニッケルなどの合金元素を含み、純チタンと比較して高い機械的特性と靭性を有します 。主に医療および航空宇宙用途で使用されます 。  
    • Grade 5 (Ti-6Al-4V / 64チタン): アルミニウム6%、バナジウム4%を含むα+β型合金で、軽量性、高強度、靭性の優れた組み合わせを持ち、最も広く使用されています 。航空宇宙(機体、エンジン部品、構造要素) 、医療施設、高性能用途、軍事用途で広く利用されます 。  
    • Grade 6 (Ti-5Al-2.5Sn): アルミニウム5%、スズ2.5%を含むα型合金で、スズの存在により優れた強度、溶接性、耐食性を持ちます 。化学処理、海洋工学、航空宇宙用途に適しています 。  
    • Grade 9 (Ti-3Al-2.5V): アルミニウム3%、バナジウム2.5%を含むα+β型合金で、溶接性、強度、耐食性のバランスに優れています 。化学プロセス、航空宇宙用途、スポーツ用品、生体医療機器などに使用されます 。  
    • Ti-5Al-5V-5Mo-3Cr: 高強度を持ち、航空宇宙産業のエンジン部品や構造要素の製造に使用されます 。過酷な環境にも耐えられるため、軍事用途にも採用されます 。  

チタンの多様なグレードは、「ちょうど良い」材料を見つけるという材料科学の原則を体現しています。単一のグレードが普遍的に優れているわけではなく、むしろ最適な選択は、特定の性能基準、製造上の制約、およびコスト考慮事項に依存します 。例えば、Grade 1は成形性と耐食性に優れる一方、Grade 5は強度と軽量性に優れ、Grade 9は溶接性と強度のバランスが取れています。

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