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フェライト系ステンレス鋼の市場価格、流通、および入手性は?

フェライト系ステンレス鋼は、その組成特性から、市場において特定の価格優位性と流通特性を持っています。

 

🔵市場価格 🔵

フェライト系ステンレス鋼の市場価格は、一般的にオーステナイト系ステンレス鋼(特にSUS304)と比較して安価であるという大きな特徴があります 。この価格差の主な理由は、オーステナイト系ステンレス鋼に不可欠なニッケル(Ni)をほとんど含有しないためです 。ニッケルは、EV車用リチウムイオン電池など他の産業での需要拡大により、近年価格が高騰しており 、ステンレス鋼の原材料価格に大きな影響を与えています 。このため、ニッケルを多く含むSUS304などのオーステナイト系は価格変動の影響を大きく受けやすいのに対し 、フェライト系は比較的安定した価格で供給される傾向にあります。

具体的なキロ単価の例として、2023年12月時点の調査では、SUS430が約450円/kg〜600円/kgであるのに対し、SUS304は約600円/kg〜800円/kgと、明確な価格差が示されています 。このコスト優位性は、特にコスト管理と効率向上を優先する市場において、フェライト系ステンレス鋼の採用を促進する重要な要因となっています 。

 

 

🔵流通と入手性🔵

国内の鋼材流通は、ほとんどが商社を介する形で行われています 。ステンレス鋼材も同様に、専門商社が全国的な販売網を活かし、少量からのオーダーや配送、加工まで柔軟に対応しています 。需要家の生産計画に沿って事前に鋼材の所要量を決める「紐付き」取引と、必要なタイミングで都度調達する「店売り」取引の両方が存在します 。

フェライト系ステンレス鋼、特に汎用鋼種であるSUS430は、生産量が多く広く流通しているため、比較的安定した供給が可能です 。在庫があれば、加工工程を経て1週間程度で納品されることもあります 。しかし、新規鋼種や特殊なサイズの場合、契約から納品までに6〜7ヶ月を要することもあり、アジアメーカーからの調達では6〜8週間かかるケースもあります 。

市場の需要と供給のバランス、そして原材料価格の変動は、フェライト系ステンレス鋼の入手性や価格に影響を与えます。持続可能性への関心の高まりや製造業の回復、技術革新も市場の成長要因として挙げられており、企業は技術投資と市場ニーズに応じた製品開発を通じて競争力を強化し、市場シェア拡大に注力しています 。これらの市場動向を理解することは、材料の安定供給とコスト最適化を図る上で不可欠です。

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