VA/VE (加工技術FAQ)
A4CBに施すT6処理による機械的・物理的性質の変化を教えてください。
材料解説 / AC4B-T6
AC4Bに施すT6処理による機械的性質や物理的性質の変化は以下になります。
T6処理を施す前(F材)と後(T6材)では、その機械的性質に劇的な差が生じます。以下の表は、金型鋳造品における代表的な数値比較です。
機械的性質 数値比較表
| 特性 | AC4B-F(放冷) | AC4B-T6(熱処理) | 特性の変化と意義 |
|---|---|---|---|
| 引張強さ(MPa) | 270 | 345 | 約28%の向上。高負荷がかかる構造体への適用が可能に |
| 耐力(MPa) | 180 | 205 | 弾性限界の向上により、ボルト締結力などが安定 |
| 伸び(%) | 2.2 | 1.6 | 硬化の代償として延性は低下。脆性的な破壊に注意が必要 |
| 硬さ(HB) | 84 | 106 | 被削性と耐摩耗性が飛躍的に向上。精密加工に適する |
F材→T6材 変化のイメージ
引張強さ(MPa)
F材
270
T6材
345
硬さ(HB)
F材
84
T6材
106
106 HBという硬度の意義
被削性・仕上げ面精度への効果
106 HBという硬度は、アルミニウム合金としては比較的高い部類となり、旋削やミーリングにおいて工具刃先にアルミが溶着するのを防ぎ、良好な仕上げ面(面粗度)を得るために極めて有利な条件となります。
工具溶着防止
良好な面粗度
精密加工に適する
良好な面粗度
精密加工に適する
伸び(%)はF材2.2に対しT6材1.6と低下します。硬化の代償として延性が低下するため、衝撃荷重が繰り返しかかる用途では脆性的な破壊に注意が必要です。




