VA/VE (加工技術FAQ)
AC4B-T6と成分が似ている材質のADC12との比較を教えてください
材料解説 / AC4B-T6
AC4B-T6 と ADC12 の比較
ADC12と比較した表は以下になります。
項目別比較表
| 項目 | AC4B-T6(金型鋳造) | ADC12(ダイカスト) |
|---|---|---|
| 生産スピード | 中(1サイクル数分) | 高(1サイクル数十秒) |
| 内部品質 | 高(巣が少なく、熱処理可能) | 低(ガスを巻き込みやすく、T6不可) |
| 強度 | 非常に高い(345 MPa) | 高(310 MPa 程度) |
| 肉厚の自由度 | 肉厚部にも対応可能 | 薄肉に特化、肉厚部は巣が出やすい |
| コスト | 小〜中ロットで有利 | 大量生産(月産数千個以上)で圧倒的 |
使い分けと注意点
信頼性が求められる部品にはAC4B-T6
表から得られる情報によると長期にわたり高負荷がかかり続け、クリープ変形や疲労破壊を避けたい重要機能部品には、多少コストが高くても信頼性の高いAC4B-T6が選択されます。
ADC12は「速さ」に特化したプロセス
ADC12は、成分こそAC4Bに似ていますが、ダイカスト法という「速さ」に特化したプロセスで製造されます。また、AC4BとADC12は成分が似ていますが相互に代用する場合は製法と後工程がことなるため、単純な代用は危険です。
ADC12の金型にAC4Bの素材を流用した場合の危険性
ADC12はダイカスト用で、金型内で高速冷却されることを前提とした組織になっています。一方、AC4Bは重力鋳造や低圧鋳造で「じっくり」凝固させることを前提としており、T6熱処理を施すことでその性能をフルに発揮します。AC4Bの図面にADC12の素材を流用した場合、T6処理で製品が膨れたり(ブリスター)、強度が不足したりする恐れがあります。
ADC12にT6処理を施すと、内部のガス巣が膨張し製品が膨れる(ブリスター)現象が発生します。AC4BとADC12は成分が類似していても、製法・後工程が根本的に異なるため単純な代用は不可です。




