VA/VE (加工技術FAQ)
FC300の切削加工時における物理的挙動と注意点を教えてください。
材料解説 / FC300
切削時の物理的挙動と注意点
FC300を切削加工する際の物理的挙動と注意点は以下になります。
切り屑とエグジット・チッピング
脆性破壊による縁欠けへの対策
鋳鉄加工の切り屑は「せん断型」であり、極めて細かく破砕されます。これが加工の抜け際で「エグジット・チッピング(縁欠け)」を引き起こす要因となります。特にFC300は脆性が強いため、加工プログラムにおいて、工具がワークから抜ける際の送り速度を50%程度に減速させる、あるいは抜け際の角度を鈍角にする等の工夫が歩留まり向上の鍵となります。
抜け際 送り速度50%減速
抜け際の角度を鈍角に
抜け際の角度を鈍角に
クーラントの選定
乾式・湿式、論争のあるテーマ
クーラントの使用については、論争があります。基本的には「乾式(ドライ)」が推奨されております。これは、鋳鉄粉がクーラントと混ざり、工作機械の摺動面に入り込んで「研磨剤」として機能し機械の寿命を縮めるのを防ぐためであるからです。また、CBN工具を使用する場合は不均一な冷却は工具のサーマルクラックを誘発します。ただし、穴あけ加工やワークの熱変位を極限まで抑えたい精密仕上げの場合は、ミスト(MQL)や大量の液状クーラントを用いた「湿式」が選択されることもある。
基本は乾式(ドライ)
精密仕上げはMQL/湿式
精密仕上げはMQL/湿式
CBN工具使用時の不均一な冷却はサーマルクラック(熱亀裂)の原因になります。クーラント方式は工具種別と仕上げ要求に応じて慎重に選定してください。




