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2025.07.08

コバールのユニークな特性、特にガラスやセラミックスとの熱膨張係数の一致は、高信頼性が求められる様々なハイテク産業で不可欠な材料となっています 。

 

1.電子部品・半導体分野:気密封止

コバールは、その熱膨張特性の近似性から、電子部品のガラス金属間シールに主に使用されます 。具体的には、パワー管、マイクロ波管、トランジスタ、ダイオード、集積回路(フラットパック、デュアルインラインパッケージ)などの気密封止に幅広く応用されています 。コバールは、湿気、ガス、汚染物質から繊細な部品を保護する信頼性の高い密閉性を形成し、部品の信頼性と長寿命化に貢献します 。

2. 航空宇宙・防衛産業:過酷な環境を支える

航空宇宙産業において、コバールキャピラリーチューブは画期的な材料として登場し、重要部品の設計・製造に革新をもたらしました 。衛星技術では、宇宙の過酷な環境からデリケートな電子機器を保護するため、フィードスルー、コネクター、その他の衛星システムの重要部品のシーリングに広く使用されています 。宇宙船やロケットでは、推進システム、燃料タンク、極低温アプリケーションの完全性を維持する上で重要な役割を果たし、極端な温度と圧力差に耐える能力が宇宙ミッションの信頼性と安全性を保証します 。アビオニクスシステムでは、フライトコントロール、ナビゲーションシステム、通信機器などで精密な電気接続と気密封止のために大きく依存されています 。

航空宇宙用途は、極端な環境条件(温度、圧力、真空、放射線)と、最高の信頼性への絶対的な要求によって特徴づけられます。コバールは、この分野で単一の特性のために使用されているのではなく、熱的安定性(熱膨張係数の一致による)、電気・磁気的適合性、および機械的完全性の組み合わせが、過酷な環境下での重要かつ多機能な部品にとって画期的な材料たらしめています。その熱管理における優位性は、大量の熱を放散することではなく、むしろ熱応力を防ぐことで極端な熱変動下での部品の安定性と寿命を保証することにあります。これは、単なる熱除去よりも高次の要件であり、材料特性がシステム全体の信頼性をどのように実現するかを示しています。

 

3. 医療機器・光学デバイス:精密さと安定性

コバールは、密封性と熱安定性が部品の信頼性に不可欠な医療機器に利用されています 。X線装置やMRI装置など、特殊な環境下で動作する電子デバイスの封止に貢献します 。

光学デバイスにおいても、その精密な特性と安定性が評価され、光通信におけるバタフライパッケージ用フレーム材料として利用されています。

 

4. その他の応用分野と気密封止の重要性

コバールは、高出力通信管部品、トランジスターのリードキャップ、水晶振動子ケース、写真閃光球部品など、幅広い電子・電気部品に利用されています 。また、高精度計器の製造にも適しており 、真空技術においても真空管のエンドキャップなどに使用され、ガラス材料との効果的な結合により真空環境の気密性を確保します 。これらの多様な用途に共通するのは、「気密封止」の重要性です。コバールは、外部環境からの保護、内部ガスや真空の維持、そして熱サイクル下での性能安定性を実現する上で不可欠な材料として、現代のハイテク産業を根底から支えています。 

2025.07.08

コバールは、鉄、ニッケル、コバルトを主成分とする特殊合金です。

最大の特長は、硬質ガラスやセラミックスと極めて近い熱膨張係数を持つ点にあります 。

この「熱膨張特性の一致」というユニークな性質が、多くの先端技術分野で不可欠な材料としてコバールを位置づけています。この特性は、現代の高度な技術製品の信頼性と性能を保証する上で中心的な役割を果たす「気密封止」という重要な機能を可能にし、コバールが他の、より安価または加工しやすい金属ではなく、この特定のニッチで選ばれる理由を明確に示しています。

 

1. コバールの基礎知識:特性と規格

 

コバールは、その特殊な用途のために設計された、ユニークな物理的・機械的特性の組み合わせを持つ合金です 。 

 

1.1. 化学組成と主要な物理的・機械的特性

 

コバールは、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を主成分とする合金です 。具体的な組成は、ニッケル約29%、コバルト約17%、残部が鉄で構成されます 。微量のマンガンやシリコン、その他の元素も含まれることがあります 。  

その物理的・機械的特性は以下の通りです。

特性項目 補足事項
化学組成 Ni 29%, Co 17%, Fe Bal. 微量のMn, Si等を含む
密度 8.24 – 8.4 g/cm³ 中程度の密度
熱膨張係数 45.4-50.8 ×10⁻⁷/℃ (30-400℃) または 5.1-5.8 ppm/°C (20-300°C) 硬質ガラスやセラミックスと近似
熱伝導率 0.04 cal/cm/Sec.℃ (約16.7 W/mK) または 17 W/Km 一般的な金属と比較して低い
電気抵抗率 49 μΩ・cm (20℃)
引張強さ 55 Kg/mm² または 550-750 MPa
降伏強さ 300-500 MPa
硬度 HRB 90-100 (焼きなまし状態 HRB 80)
融点 約1,300℃~1,400℃
キュリー温度 435℃
主要規格 ASTM F15 (UNS K94610)

 

コバールの熱伝導率は、銅やアルミニウムといった一般的な金属と比較して低くなっています 。

コバールは、熱放散よりも熱応力を最小限に抑えることが重要な場合に選択される材料であり、極端な温度変化下でも部品の構造的完全性を保ち、破損を防ぐ上で非常に効果的です 。

 

 

1.2. 熱膨張特性:ガラス・セラミックスとの親和性

 

コバールの最も際立った特性は、その低い熱膨張係数(CTE)が、ホウケイ酸ガラスや一部のセラミックス(特にアルミナ系セラミック)のそれと非常に近い値を示すことです 。具体的には、30-400℃の範囲で45.4-50.8 ×10⁻⁷/℃、または20-300℃の範囲で5.1-5.8 ppm/°Cと報告されています 。

 

この特性は、異なる材料が接合される際に発生する熱応力を最小限に抑え、熱サイクル下でのクラックや破損を防ぐ上で極めて重要です 。例えば、金属製の導電部材とガラス製の発光管を気密封止する際、ガラスの熱膨張係数に近い金属でなければ、熱膨張または熱収縮によって発光管が割れてしまう可能性があります 。コバールは、この熱膨張の近似性により、「ガラス金属間シール(Glass-to-Metal Seal)」や「セラミックス金属間シール」において最適な材料とされています 。 

 

1.3. 磁気特性と電気特性

 

コバールは、多くの電子用途にとって重要な、一貫した磁気特性を提供します 。これは、非磁性のステンレス鋼などとは対照的であり、磁気部品や電磁両立性が要求される用途に適しています 。  

電気特性としては、良好な導電性を示し 、集積回路との高い互換性や信頼性の高い電気接続を可能にします 。ダイオード、トランジスタ、半導体特性を持つその他の電気部品にも使用されます 。高周波電流伝送容量の改善や接触抵抗の低減のため、金メッキや銀メッキが施されることもあります 。 

 

コバールが持つ一貫した磁気特性と良好な導電性という二つの特性の組み合わせは、電磁両立性(EMC)が不可欠な用途や、効率的な信号伝送が必要な用途において、この材料を理想的なものにしています。電子部品や航空宇宙のアビオニクスシステムなど、電磁場や信号伝送が頻繁に発生する環境では、これらの特性が連携して機能することで、電子部品の小型化を可能にし、フライトコントロールやナビゲーションシステムなどの複雑なアビオニクスシステムにおいて、電気的完全性と磁気シールド/相互作用の両方が重要となる場面で、信頼性の高い性能を保証しています。単に個々の特性を持つだけでなく、それらが連携してシステム全体の高性能化に寄与している点が重要です。

 

1.4. 適用される主要規格(ASTM F15、JIS関連製品への言及)

 

コバールは、主に国際的な材料規格であるASTM F15 (UNS K94610) に準拠して製造・供給されています 。この規格は、ガラス-金属封止用途の鉄-ニッケル-コバルト合金の化学組成、機械的特性、熱膨張特性などを規定しています。  

日本の産業においては、コバール自体に直接的なJIS材料規格は存在しないとされています 。しかし、コバールは、JIS規格に準拠する製品、例えば真空フランジやビューポート(JIS VF/VG規格)の構成部品として広く利用されています 。

コバールを調達する際にはASTM F15を参照するのが一般的ですが、日本国内のシステムで使用されるコバール部品を設計または調達する際には、関連するJIS製品規格(例:真空部品用)への適合が求められることになります。

2025.05.07

連続鋳造技術は、高温で溶けた鋼(溶鋼)を鋳型で冷やして固めながら、

固まった部分を徐々に引き抜くことで長くつながった鋼材を作る技術です。

 

鋼材の引き抜きや、そのスピードのコントロールや不純物のコントロールには電磁力が用いられています。

1970年代に発明され、以後世界のほぼすべての製鉄所ではこの連続鋳造法が用いられています。

 

連続鋳造の模式図

 

連続鋳造では、まず溶鋼を取鍋(一番上の鍋)に流し込み、次に不純物等を浮かせて除去するためにタンディッシュと呼ばれる鍋に溶鋼をもう一度流し込みます。

その次に、鋼を水冷されている鋳型(青色の部分)に流し込み、型取りをします。ここで固まりはじめた鋼を引き抜きながらロールで圧延し、ガス溶断で切断します。

 

殆どの鋳造法では、鋼を垂直に下から引き抜き、水平に誘導したところでガス溶断をしますが、一部の鋳鉄では最初から水平に引き抜くこともあります。

 

冷却方法や不純物の偏在によって、内部や表面に割れが発生しやすくなることがあり

この割れを防止するために流体力学等によるシミュレーションや技術開発が行われています。

 

中村製作所では、材料調達から加工まで一貫して承っております。

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2025.04.23

摩擦圧接とは、2つの母材を高速回転させ、その際に発生する摩擦熱で母材同士を接合する工法です。

 

溶接等とは違い、異種材料などの接合にも制限が少ないのが特徴です。

また、自然環境や作業者にやさしい接合法といわれています。

 

自動車部品や半導体、建設機械、船舶部品などの幅広い業界で活用されています。

 

(参照 : 北川鉄工所 youtubeより)

2025.03.17

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