2025.03.10
チャッキングとは、機械加工においてワークを「つかむ」こと
またはチャックはワークを掴むための装置のことを言います。
旋盤加工では、ワークを高速で回転させながら工具を押し当てて加工します。
そのため、このチャッキングが重要な技術ポイントになってきます。
チャッキングが弱いと、回転の勢いでワークが飛び出してしまったりして
製品がダメになるのはもちろんのこと、機械や作業者も非常に危険です。
かといって強すぎる力でチャッキングをしてしまうと、
製品が歪んで変形してしまうことになります。
適度なチャッキング方法、芯出し、チャック圧の見極めにはある程度の経験が必要です。
また、ワークをつかむ「チャック」には次のような種類があります。
🔵三つ爪チャック🔵
最も一般的なチャック。スクロールチャックと呼ばれるチャックで、チャックハンドルで爪の開閉を行うと、
3つの爪がそれぞれ連動して動きます。
スクロールチャックはワークを素早くチャッキングできるという利点があります。
🔵四つ爪チャック🔵
四つ爪チャックは、インデペンデントチャックとよばれるチャックで、4つの爪がそれぞれ
独立して動きます。
この性質を利用して、偏心加工を行う際のワークのチャッキングに用いられたり、
正確に芯出しをしたい場合、ブロックなどの角ものを旋盤加工したい場合などに用いられます。
芯出しにコツがいるチャックです。
🔵コレットチャック🔵
コレットチャックは、スリットで割った円筒でワークを包み込む用にチャッキングするので、1点にかかる圧力が少なく済み、
ワークを傷つけたり歪ませることなく加工が可能です。
チャッキングの工夫により、薄肉の製品をビビりや歪み少なく加工することが可能です。
お困りの製品が御座いましたら、お気軽にお問合せ下さい。
2025.02.25
ねじを一回転させた時に、軸方向に進む距離のことを「リード」といいます。
また、リードの長さとねじの円周が作る確度のことを「リード角」と言います。
一条ねじでは、ねじのピッチ(隣り合うネジ山同士の距離)とリードは等しくなります。
1回転すると1ピッチ分進みます。
多条ねじでは、1ピッチの間に複数のらせんがあり、1回転で進む距離がその分大きくなります。
2条ねじでは1回転で2ピッチ進み、3条ねじは1回転で3ピッチ進みます。
一般的に、ねじを高スピードで進めたい場合や、リードを大きくとりたいけれど強度が心配な場合などに
多条ねじは用いられます。
中村製作所でもNC旋盤を用いて切削加工でねじを加工しています。
お気軽にお問合せ下さい。
2025.02.25
「ねじ」とは、物を締め付けるためにつくられたらせん状の切り込みを言います。
ねじには沢山の呼び方や種類があります。
切り込みの形状や構造の違いからは
①三角ねじ
②台形ねじ
③角ねじ
④ボールねじ
があり、用途に応じて使い分けられます。
ねじ加工が施される場所によっても呼び方は変わります。
製品の外径や円筒に施す場合には「おねじ」
製品の内径や穴の内部に施す場合には「めねじ」といいます。
例えば、ボルトは雄ねじ、ナットは雌ねじになります。
また、一般的にねじは右に回せば閉まりますが、
左に回して占めるねじを「左ねじ」、「逆ねじ」 と呼ぶこともあります。
切り込みの形状についてもう少し詳しく見ていきましょう
①三角ねじ
三角ねじは、ねじ山が三角形の最も一般的なねじです。緩みにくいので、締結用に使用されます。
三角ねじには、メートルねじ、ユニファイねじ、管用ねじなどの種類があります。
また、メートルねじとインチねじには、並目ねじと細目ねじがあり、一般的に細目ねじの方が
肉厚の薄い製品の締結に向いています。
ねじ種類 | 特徴 | 用途 | |
メートルねじ | メートル並目ねじ | 緩みにくい | 締結用ボルト |
メートル細目ねじ | |||
インチねじ | ユニファイ並目ねじ | ||
ユニファイ細目ねじ | |||
管用ねじ | 管用平行ねじ | 緩みにくい | 管の接続 |
管用テーパーねじ | 気密性が高い |
②台形ねじ
台形ねじは、ねじ山が台形のねじです。三角ねじに比べて摩擦力が弱いため、締結には向きませんが、高精度な加工が可能です。またバックラッシ(機械同士の連結部の、運動方向に設けられた隙間や遊び)が小さく、強度が高いため工作機械の送りねじに使用されます。
③角ねじ
角ねじは、ねじ山が90°のねじです。摩擦力が弱く精度も低いのですが、大きな伝達力を持つため、万力やジャッキに使用されます。
④ボールねじ
おねじとめねじの間にボールが入ったねじです。ねじが直線運動するときに、ボールが軌道から脱落しないようボール循環部が設けられています。このため、本体が大きくなるという問題がありますが、ボールが転がるため他のねじに比べて摩擦力とバックラッシが小さいという特長があります。
この特性を利用し、工作機械の精密な位置調整に利用されます。
2024.12.20
Oリング溝の加工も可能です。
🔵Oリング溝とは🔵
Oリングとは、主に液体を密封するためのシール(パッキンやガスケット)として使用される製品です。
このOリングをはめ込むための溝がOリング溝と呼ばれます。
Oリング溝の溝断面は、角溝、アリ溝(横からみると台形で口が溝の底よりすぼまっている)、L型溝などがあります。
🔵Oリング溝加工のポイント🔵
Oリング溝のうち、摺動面などに用いられる溝には、Oリングの耐久性向上の観点から高い面粗度(Rz3.2程度など)が必要になります。
溝底部は研磨が難しくコストもかかるので、旋削でこの精度を満たす必要があります。
中村製作所では、高い面粗度を要するOリング溝や、アリ溝の加工実績も多数ございます。
お気軽に営業担当までお問い合わせください。
2024.11.12
🔴旋盤加工とは🔴
金属などの材料(ワーク)に、工具や刃物(バイト)を押し当てて削る加工を「切削加工」といいます。
旋盤加工は、切削加工時に、材料を回転させ、そこに固定した工具を押し当てて行う加工です。
正式な名称は「旋削加工」なのですが、使用する設備の名称を取って多くは「旋盤加工」と呼ばれています。
これに対し、工具を回転させる加工はフライス加工(転削加工)と呼ばれます。
旋盤加工は材料を回転させるため、主に丸物の加工に用いられます。
主な工法は以下の通りです。
🔵外径加工
ワークの外側から工具を当て、素材の外径を加工します
🔵内径加工
ワークの内側から工具を当て、素材の内径を加工します
🔵溝加工
材料の外径、内径の中途に工具を当て、ワークに溝をつくります
溝加工の延長で、溝をワークの中心部まで削り進め
ワークを切断する加工は突っ切り加工と呼ばれます。
🔵ねじ加工
ネジやリード溝など、一定の幅の連続した溝を加工します
🔵テーパー加工
ワークに工具を当て、工具角度を変えながら加工しテーパーをつけます
🔴旋盤加工の特徴🔴
🔵加工精度が高い
旋盤加工は高精度の加工が可能です。
🔵被削材の幅が広い
旋盤加工は、幅広い素材に対応が可能です。
🔵加工を素早く始められる
治具や金型を用意せず加工できるものも多いので、ワークを用意すれば
素早く加工を始めることができます。
🔵工具1本で幅広い加工が出来る
工具のチップなどに加工を施せば、一つの工具で
幅広い加工を行うことも可能です。
🔴旋盤加工の工夫🔴
🔵チャッキング(ワークの固定)には生爪と呼ばれる固定具を用います。
例えば四爪を用いれば、角材から丸を削り出すことも出来ます。
🔵長物で精度を出すために、振れ止めというワークの固定具を用いたり
内径では防振ボーリングバーとよばれる工具を使用し、安定した精度を出すことができます。
🔵コストを抑えて面粗度を上げたい時には、研磨工程を省き、バニシングを用いて
旋盤工程のみで面粗度を高めることも出来ます。
旋盤加工でお困りの際は、中村製作所に是非ご相談ください。
2024.10.08
弊社での旋盤加工対応最大サイズは、Φ1200高さ1080(外径加工の場合)となります。
大型部品の製造でお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。設計段階からの協力も可能ですので、最適な加工方法や材料選定などについて、詳細なご提案をさせていただきます。